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アイリス
秋山進さんとアイリス

 リハビリに行ったある日、妻とリハビリ病院の近くを散歩しました。
初夏の日ざしが心地良く、カメラ片手にぶらぶら田舎道を歩きました。
そこで、ある農家の庭先に、今をさかりとアイリスが数十株咲いているのが
目に入りました。母屋の庭先にいたその家の奥さんらしい人に、
「写真を撮らせてください」と言って花にカメラを向けていると、
「よろしかったらお持ちになって」と、ハサミで惜しげもなく数本を
切ってくれました。
 そのアイリスをモティーフに切り絵用にスケッチしながら、発病する前、
妻の母が借りた畑へ毎週出かけて手伝ったのを思い出しました。その畑(今は
駐車場に変わっている)の雑多な作物の傍らで咲いていたアイリス、
夢幻に咲いたアイリス、そんなことを思いつつ作品を仕上げました。
台紙は淡いブルー、モティーフはブルーのぼかし。そして黄色のワンポイント。
切り絵のカットラインに、ぼけたカラー、畑の花が目に浮かんできます。

OTジャーナル VOL.31 NO.6 1997年6月

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リハビリ目的で始めた切絵
秋山進さんの切絵

秋山進さんのプロフィール

 現在55歳、障害度2級で、静岡市に住んでいます。
 1994年2月、52歳の時、脳梗塞で倒れて「静岡市立病院」へ入院。
その後「静岡リハビリテーション病院」へ転院、同9月に退院。
会社は辞めて、現在は週2回同病院へリハビリのため通院しています。
左半身に麻痺がありますが、妻や家族、リハビリの先生、同病院の
仲間に支えられて、毎日を前向きに過ごしています。
 自宅に戻ってから始めた「切り絵」は、私に新しい生きがいを
与えてくれました。遊び心で仕上げた1枚の切り絵を、先生が賞賛して
くれたのが始めでした。右手1本では思うようにできませんが、先生に
見てもらうのが楽しみで毎日すこしづつ続けています。
 終日、妻なしでは生活できない私ですが、現在でも「去年よりだいぶ
良くなってきた」と妻や周囲におだてられて、リハビリと切り絵に
充実した忙しい日々を過ごしています。

OTジャーナル VOL.31 N0.6 1997年6月号より抜粋
 

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